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TikTokをアメリカ政府はなぜ禁止したのか…検索履歴やキー入力を収集する「危険アプリ」という事実(過去寄稿記事から抜粋)


 

 アメリカでは2月末、連邦政府職員の公用端末での「TikTok」の使用が禁止された。どんな危険性があるのか。「中国の当局が情報を出せと言えば、TikTokやその親会社はそれに従わざるを得ない。実際、TikTokには疑わしい『前科』がある」――。




「明白な国家安全保障上の懸念」


 「私にとって、それは明白な国家安全保障上の懸念に思える」――2023年3月8日、米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は米上院情報委員会の公聴会で、中国の短時間動画共有アプリTikTok(ティックトック)についてこう語った。さらにマルコ・ルビオ上院議員(共和党)の質問に答える形で、中国政府がTikTokを通じて膨大なアメリカ国民の情報を収集・管理し、台湾問題などについて世論操作を行う可能性があるとも指摘した("China's Ambitions, Russia's Nukes and TikTok: Spy Chiefs Talk Biggest U.S. Security Threats", Time, MARCH 8, 2023)。


 アメリカでは2月末、連邦政府職員の公用端末でのTikTok使用が禁止され、3月1日には米下院外交委員会が、アメリカ国内におけるTikTokの利用を全面禁止する法案を賛成多数で可決した(正式な立法化には上下両院での可決と大統領署名が必要)。欧州連合(EU)、カナダでもほぼ同時期に政府職員が使用する端末でのTikTokの使用禁止が命じられており、日本でも2月27日に松野官房長官が、公用端末においてTikTokの利用が禁止されていることを明らかにした。



他国のユーザーのデータを収集・分析している


 では、TikTokの何が脅威なのか。米共和党のジョシュ・ホーリー上院議員が、ジャネット・イエレン財務長官に宛てた3月7日付の書簡の中に、その内容が示されている。(“Exclusive: Senator's TikTok whistleblower alleges data abuses”, Axios, Mar 8, 2023)


 同書簡では匿名のTikTokの元従業員から寄せられた情報として、「TikTok、および中国に拠点を置く親会社のバイトダンスの従業員(その中には中国共産党員もいる)は、中国とアメリカそれぞれのデータへのアクセスを簡単に切り替えられる」「中国在住のエンジニアが他国のユーザーのデータを定期的にバックアップし、収集・分析しているのを目撃した」といった内容が記されている。



米記者の情報を抜いていた「前科」も

 

 実際、TikTokには疑わしい「前科」がある。2022年12月に米『フォーブス』誌等が報じた内容によれば、米TikTokおよびバイトダンスの数人の従業員が2人のジャーナリストを含むアメリカ市民のユーザーデータに不正にアクセスし、その事実をTikTok側も認めている(”EXCLUSIVE: TikTok Spied On Forbes Journalists” Forbes, Dec 22, 2022)。


<続きはプレジデント・オンラインにて→LINK

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